建材メーカー その他 森のじゅうたん(株式会社カネモク)

「森のじゅうたん」は飛騨の木で作る優しくて暖かい無垢フローリング

飛騨地域で家づくりを行う会社・人に直接お話を伺う「匠インタビュー」今回は無垢フローリング「森のじゅうたん」を製造販売する株式会社カネモク編をお届けします。代表の森本賢吉さんにお話を伺いました。

「森のじゅうたん」とはどんな商品ですか?

飛騨地域で育った広葉樹(こうようじゅ)から作った無垢フローリングが「森のじゅうたん」です。広葉樹とは、ナラ、ブナ、サクラなどの木のことで、木目が細かく硬いため、耐久性に優れています。

広葉樹のフローリングは全国的にも珍しく、特に飛騨産を中心とした産地証明付原木仕入れにこだわっているのは弊社の「森のじゅうたん」だけです。飛騨は昔から良木の産地として知られていますが、寒い冬に耐える飛騨の木は本当に品質が良く、大いなる自然の力を感じるほど。そんな木を贅沢に使用した床材が「森のじゅうたん」です。

使用材:コウヨウ(ヤマザクラ、マクルミ、ナラ、クリ)





暮らしに馴染み進化する、広葉樹の美しさ

「森のじゅうたん」の一番の特徴は、美しい見た目です。木は一つとして同じものがありませんが、広葉樹はさらに個性豊かで、一本の木でも色や木目が異なります。無垢のフローリングはたくさんありますが、ここまで多様な木の表情を生かせるのは「森のじゅうたん」ならでは。複数の樹種を組み合わせ、色合いや木目の違い、自然の面白さを楽しむこともできます。

無垢材は経年劣化すると思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私は無垢ならではの変化を「経年進化」そして「真価」だと捉えています。

生活に馴染みながら色合いや質感が深みを増し、年月とともに愛着がわくこと、そして自然がもたらす恵みを暮らしの中で感じられること、これこそが無垢フローリングの魅力と「真価」です。

使用材:ヤマザクラ|ブナ|マクルミ

赤ちゃんの積み木と同じ安全素材で作る体に優しいフローリング

もう一つの特徴は、まるで森の中を裸足で歩いているような心地よさと、身体に優しい安全性。足の裏が喜ぶと言うと不思議な表現かもしれませんが、実際に歩いていただければわかる気持ちよさです。

さらに、「森のじゅうたん」で使っている木材は、赤ちゃんの積み木や木製食器に使われているものと同じなんです。赤ちゃんのおもちゃや食器は安全なものを選びたい方が多いと思いますが、「森のじゅうたん」も同じ考えで作っています。床は身体に直接触れる部分ですし、寝転ぶこともありますから、子どもだけでなく、大人も、そして動物たちも、安心して暮らせるフローリングです。

さらに、「森のじゅうたん」は床材としてだけでなく壁材としても使えます。特に、凸凹が特徴的な名栗加工(なぐりかこう)を施した「sucoyuca」シリーズは、床材はもちろん壁材として使うと照明による陰影ができてとてもおしゃれ。無垢の木が持つ自然のあたたかさと、デザイン性が持つモードな雰囲気があり、和洋どちらにも合う万能なデザインです。

使用材:ナラ(sucoyuca)、クリ、マクルミ、ナラ、ブナ、ウダイガバ、ヤマザクラ




無垢フローリングなのに床暖房OK!秘密は高い技術力

幹がまっすぐ伸びる針葉樹と比べ、広葉樹は形が不揃いで加工が難しく、フローリング材として使われることは多くありません。ではなぜ「森のじゅうたん」を作ることができるのか?それは、木の国・飛騨高山で長年木と向き合ってきた職人の技術力があるからです。

私たちは木の選定・原木仕入れ・加工・乾燥・管理・制作まで、すべて一貫して行なっています。しかも全国でも珍しい広葉樹専門の木材加工会社として、広葉樹のことを知り尽くした職人が手掛けています。

特に乾燥の技術は今でも完全機械化はできず、職人の目利きが頼り。季節や天気、湿度などの環境や、木が持つ特性に合わせ、見極めながら仕上げます。この高度な乾燥技術によって、通常15%前後の含水率(木が含む水の量)を8%まで調整。木の水分を減らすことで施工後の木の動きを最小限に抑えられるため、歪みや反りがなく、無垢フローリングでありながら床暖房にも対応しています。

また、もともと硬さのある広葉樹をしっかり乾燥させることで、さらに傷がつきにくく丈夫な床材になります。




森のじゅうたんを選ぶことが、環境保全やSDGsにつながる

「森のじゅうたん」の存在は環境保全にも役立っています。そもそも、多種多様な広葉樹を贅沢に使用できるのは、森林率が9割を超える飛騨地域だからこそ。飛騨産の木を、飛騨で暮らす私たちが製材・加工し、飛騨地域の家をつくる。この流れは、豊かな飛騨の森を支える力になっていると思います。

また、製材の際に出る端材やオガ粉は製紙用チップやキノコ菌床へ。木くずはストーブの燃料にするなど、素材を余すことなく活用しています。このように木を無駄にすることなく循環させることで、森林資源を守っています。

「森のじゅうたん」は、ただの無垢フローリングではなく、森の恵みを最大限に生かし、未来の環境を考えた商品と認識していただけると嬉しいです。



家づくりを検討中の方へメッセージ

家づくりの中で「森のじゅうたん」のフローリングをご検討される方は、ぜひ工務店さんやハウスメーカーさん、もしくは弊社までお声がけください。これまでにさまざまな企業の方と取引しておりますので、スムーズに対応可能です。市や県の補助金制度も利用できますので、そちらもあわせてご相談ください。

また、デザインや樹種の相談にも応じられますし、「家の山や庭にある木を使いたい」といったご要望にもお応えできます。家全体を「森のじゅうたん」にすることも可能ですし、「玄関だけ」「リビングだけ」などの施工事例もあります。床だけでなく壁材として使用することも可能です。「森のじゅうたん」の木目の美しさと自然の温もりを、ぜひ住空間に取り入れてみてください。

その他、広葉樹の無垢フローリング「森のじゅうたん」について気になることがあれば、何でもお気軽にご相談ください!

使用材:マクルミ





【取材・ライター:淺井葉月/撮影:林実香】