飛騨地域で家づくりを行う会社・人に直接お話を伺う「匠インタビュー」、今回は「建築はし本編」をお届けします。
代表取締役の橋本忠士さんにお話を伺いました。
建築はし本の特徴は?
私たちの家づくりの特徴は三つあります。ひとつめは、国産の無垢材や漆喰などの自然素材をふんだんに使用し、体に優しい家をつくっていること。二つめは、大工である私が間取り提案から施工まで責任を持って携わること。三つめは、後悔のない家づくりのために、お客様と長く良い関係を続けたいと考えていることです。

家は健康と安全を守れる場所でなければならない
建築はし本が自然素材の家にこだわる理由は、「絶対に安全な家をつくる」と決めているからです。
私は家づくりに携わる中で化学物質過敏症やシックハウス症候群に悩む方の存在を知り、「憧れのマイホームを実現した後、家族の健康被害に苦しむなんて」と強い衝撃を受けました。
マイホームはとても高価ですし、大きな決断のうえ購入するもの。当然、住む人の安心と安全が約束された場所であるべきです。それなのに、健康に悪影響を与える家があるなんて・・・。家づくりする者として、とても考えさせられました。
いくら価格が抑えられても、どんなにおしゃれでも、住むと体調が悪くなる家は誰も望まないと思います。そこで私は、「家族全員が健康・安全に長く暮らせる家をつくる!」と決めました。
そこからは、建材や材料が呼吸や肌に与える影響、アレルギーとの関係などを勉強しました。
体にやさしい部材は何なのか、家とはそもそも何なのかを問い続けた結果、無垢の国産材や漆喰といった自然由来の材料を使うこと、床のワックス等も天然のものであること、クロスを貼る場合も卵の殻からできたものを使うなど、自然素材にこだわった家づくりにたどり着いたのです。

素材へのこだわりが家族の健康を守る
一般的な住宅は木でできた柱や板を組み合わせて作りますが、その柱や板はどの場所でどのようにつくられたか、考えたことはあるでしょうか?中には、腐らないように薬剤が大量に塗布されている建材もあります。それら全てが悪いわけではありませんが、私自身はできるだけ薬剤や化学物質を避けたいと考えています。
また、家づくりをプラモデルに例えると、柱などの建材は「プラモデルのパーツ」です。すでに出来上がっているパーツを組み合わせる家づくりもありますが、私はまず木を仕入れ、削ったり切ったりして「パーツそのものをつくるところ」から始めます。
この方法ならば素材の安全性も確認できますし、仕入れから施工まですべてを自社一貫対応するため、高い品質を保ちながらコスト削減も実現できます。
人はみんな健康が大事、だから時間や手間はかかっても安心できる家がいい。それが建築はし本の家づくりです。

大工だから「やっぱりこうしたい」が叶う、柔軟で自由な家づくり
建築はし本の家は、間取りの計画から施工まで大工である私が手がけます。大工はなんでもつくる職人ですから、窓枠も手作りですしキッチンなどの造作も得意。できることはすべて自分たちでやるため、お客様に対して柔軟性のある対応ができるのが強みです。
柔軟性のある家づくりとは何か?簡単にいうと、「家を建てている途中でも、建てた後でも、こうしたい!という要望に応えられる」という感じでしょうか。

図面の段階では想像がつかなくても、家が形になり始めると「想像と違ったな、少し変えたいな」と感じる場合もあるでしょう。そのときも、私たちはすぐ相談に応じます。間取り決定後は変更できないとか、変更するには多額のお金がかかるなんてことはありません。私自身が家の構造を熟知しているので、その場ですぐに答えを出すことができるのです。
「家は3軒建ててやっと理想のものができる」なんて言葉もありますが、私は一度で理想の家を建てていただきたいと思います。途中で「やっぱりこうしたい」という気持ちになるのは当然ですよ。それを「ダメです」なんて言えません。

間取りは何パターンも考えて、施主様と一緒に話し合いながら決めます。「リビングはこちらの案がいいけど、トイレは別の案の方がいいね」など、自由に話し合うのは私もワクワクしてとっても楽しい時間です!また、理想のキッチンや収納等の絵があれば、その通りに作ることもできます。
家が完成し、住み始めた後からのご相談やリクエストも大歓迎!むしろ「完成してからが関係性のスタート」と考えているくらいですから、家や暮らしの困りごとはなんでも言っていただきたいです。
何かあってもすぐに直せる・作れるのは、大工が建てる家を選ぶメリットだと思っていただけると嬉しいですね。

普段も、災害の時も、家が凶器になってはならない
災害、特に地震について気になる方は多いと思います。私ももちろん耐震性を意識しています。法律で定められた基準を守るのは当然ですが、不安がある場合はより強い構造の家を作ることも可能です。
安全のためには無理な間取りを避けることも重要です。たとえば、窓の大きさや位置。デザイン性も大切ですが、何よりそこに住む人たちの安全を担保するのが家の役割ですから、安全性を保ちつつも自然の光や風をしっかり取り入れられる窓をつけるなど、さまざまな工夫をしています。
そういえば、ある家を建てるときに施主様の奥様が「私も壁の漆喰を塗りたい」とおっしゃり、赤ちゃんをおんぶしながら壁塗りをしてくださったことがありました。笑顔で楽しそうに作業されている様子を見て、これこそ私の家づくりの本質だと感じました。
仮にこれが薬剤や溶剤塗布だったら、赤ちゃんを背負った作業なんてできません。家は、建てている最中も、暮らしている時も、自然災害があったとしても、凶器になってはいけないのです。そういう意味で「本当に安全な家」をつくっています。

家づくりを検討中の方へメッセージ
私は父の代から続く大工です。父が作った建物が今もあるように、私が作った家も残ると思うと、地域のためにも、住む方のためにも、無責任な仕事は絶対にできません。
そんな私にあるのは「何をするにも健康な体が一番大切。家族みんなが健康に過ごせる家が良い」という考えと、「後悔のない家づくりをしていただきたい」という強い想い。お客様とは長くお付き合いして、なんでもご相談いただける関係になれると嬉しいです。
家づくりについてほんの少しでも気になることがあれば、お気軽にご相談ください。モデルルームでお茶でも飲みながら、ざっくばらんに話していただけたらと思います!

